初恋~ある女の恋愛物語~
そこに立っていたのは
馨さんだった…

別れたあの日より
少し痩せた姿

間違いなく私が
愛した馨さんだった

『千穂…』

懐かしい声が響く

『どうして?』

その言葉を振り絞るのが精一杯だった

その後の馨さんの言葉を聞いた私は
運命の神様を恨んだ

『千穂が助けてくれた
子供は俺の子供なんだ』

運命のイタズラ?

私が馨さんの子供を
助けて、自分の子供を
失ってしまった

なぜそんな事に…

まるで昼ドラのような
展開じゃない

馨さんは何度も
頭を下げて謝った

私は現実を
受け入れられず
何も言えなかった

言えるわけない

涙を流す事さえも
忘れてしまっていた
< 290 / 409 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop