初恋~ある女の恋愛物語~
大介はため息をつき
私をジッと見つめた

『よく乗り越えたな』

そう言った、大介は
私の隣に座り直した

そして私をギュッと
抱きしめた

私は動揺を隠せず
身動きさえも出来ない

大介の心臓の鼓動が
私に伝わってくる

『もう我慢しなくても
いいんだよ』

その言葉に、私の涙が
一気に溢れてきた

『いっぱい
泣いてもいいよ』

支えてくれるその手は
とても暖かかった

私はそのぬくもりの中で気持ちを吐き出すように声を上げて泣いた

1人で部屋で泣くのは
いつもだったけど
気持ちは全く晴れない

でも今日は大介の
ぬくもりのおかげで
いつもの涙よりも
何倍もの気持ちを
吐き出す涙が流せた

人の暖かさってすごい
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