初恋~ある女の恋愛物語~
どれだけの時間
泣いていたのか
わからない

ようやく涙が終わりを
告げた

『ありがとう』

何度も大介に
お礼を言っていた

すっかり冷めた
コーヒーを入れ直した

大介は私の隣から
移動する事もなく
ずっと傍に居てくれた

私だけの話をしたけど
大介はその後
どう過ごしていたのか
気になった

大介はポツリポツリと
話し始めた

私が消えてから
大介は意気消沈したと
少し笑いながら言った

メールも電話も拒否
されて、自分の無力さに嫌気がさしたと言う

その後付き合った女に
騙されて、借金をしたりヤクザの女に手を出し
追われる生活をしたと
私に打ち明けた

私はまた罪悪感を
感じてしまった
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