初恋~ある女の恋愛物語~
馨さんの腕の中で色んな話をしていた

タバコの匂いのする馨さんの腕の中

私はこのまま眠りたい…

そう思っていた

馨さんは私の顔を覗き込んでいた

私は緊張をごまかそうと笑顔を向けた

馨さんの顔が近付いてきた

拒む事さえ出来ない

私は目をつぶって馨さんの唇の暖かさを感じた

軽く合わせただけの唇

私にとってはすごく長い時間に感じた

馨さんの唇が私から離れて、私はようやく目を開けた

『千穂…』

馨さんはその言葉と同時にまた私の唇を塞いだ

『…っん…っ』

さっきのキスとは全く違うキス

深く熱いキス

とても長いキス

舌が自分の意志とは違う動きをしてしまう

息をするタイミングさえ失ってしまいそうだった
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