初恋~ある女の恋愛物語~
あんなにここに来るのを躊躇っていたのに

後悔するかもしれない

そう思いながら
開けたドア

後悔してもいい

今はそう思えていた

ようやく離した体

食事を取り、2人で
ワインを飲んだ

時々私を見つめる
視線が熱かった

食事を済ませても
まだ飲んでいた

これまで離れていた
時間の事を話ながら

赤ちゃんの話と
浩太さんの話もした

馨さんはどう思って
いたんだろう

シングルマザーで
いるよりも、良かったと思っているかも
しれなかった

でも何度も謝る馨さんは罪悪感に満ちた
顔をしていた

私が馨さんを恨んで
今日は来てくれないと
諦め半分だったと言った

私は馨さんを恨んでは
いないと笑顔を向けた

恨んでも赤ちゃんは
戻ってこないから
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