初恋～ある女の恋愛物語～

私たちは求め合いながらベッドへ倒れた

私を抱く馨さんの
優しい手

優しい唇

優しい囁き

全てが私を感じさせた

もう二度と抱かれる
事はないと思っていた
その体に、抱かれる
喜びを感じた

私が求めると
馨さんの吐息が漏れて
感じてくれているのが
私に伝わってきた

指を絡ませ合い
強く力を入れる

薄暗い明かりが
私たちを照らしている

おしゃれしてきた
化粧も髪型も
乱れていた

思わず力が入る指先の
力をゆっくり緩める

爪を立てるわけには
いかないから

全身に感じる
馨さんの愛は、私を
現実から引き離す

このまま傍に居たいと
叶わないはずの願いを
心の中で呟いた