初恋~ある女の恋愛物語~
『だいすけぇぇぇ!』

叫び声を上げた

大介は驚きの表情を
見せながらも、私を
必死で止めようとした

私は大介の行動を
無視するかのように、
大介の胸元の服を掴み
前後に揺さぶった

大介は何も言わなかった

私に揺さぶられるがままただ悲しそうな顔を
していた

何度も大介の服を
掴みながら、叫んだ

『何とかしてよ!
大介!何とかしてよ!』

服を掴んだ手の力を
緩めた

もう手にも力が
入らなくなっていた

大介は私を抱きしめた

『何もしてやれなくて
ごめんな』

と言った

馨さんの担当医は
大介だと言っていた

大介は俺だって
助けてやりたいよと
うなだれた
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