初恋~ある女の恋愛物語~
『俺が居なくなっても
千穂を支えてくれる人が居て、安心したよ』

『いやだよ!そんな事
言わないでよ!』

とめどなく涙が溢れた

『ごめんな。千穂を
残して死ぬのが
一番気になってる』

『死ぬなんて
言わないでよ!』

また声をあげて泣いた

『千穂。それが運命だ。俺に課せられた運命だと思うしかないよ』

馨さんはもう死の覚悟が出来ているかのような
口ぶりだった

『怖くないの?』

私の質問に

『怖いよ。すごく』

と答えた

『もう千穂に
会えなくなるのが
一番怖い』

と私を抱きしめた

『私も一緒に逝く』

そう呟いていた

急に抱きしめる手を
離した馨さんは
私の頬をビンタした

そしてまた私を強く
抱きしめた
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