初恋～ある女の恋愛物語～

何度も馨さんが囁く
私の名前を呼ぶ声

耳に焼き付けておきたい

私の手を握るその手の
温かさ

その温もりを
離したくない

私を抱きしめた時に
伝わってくる心臓の鼓動

生きている感触を
忘れたくない

触れあわせる唇

その優しさを
いつまでも感じていたい

もうすぐ叶わなくなる
全ての願いを
心の中で念じてみる

馨さんは今何を
思ってる？

私には何も
伝わってこないよ

どんなに泣き叫んでも
残された時間はない

今私が馨さんに
伝えなきゃいけない事

それは間違いなく
愛してるという事

私が馨さんを誰よりも
愛してるという事

あんなに口に出す事が
出来なかった
愛してるという言葉