初恋~ある女の恋愛物語~
ルームサービスを頼み
食事をとっていた

たぶん気のせいだけど
馨さんの食欲が
減っていた

馨さんの体を
気にしすぎて
私は抱かれる事さえ
怖かった

このまま馨さんと
一緒に眠って、目を
覚まさなきゃいいと
何度も思った

そうすると、馨さんに
叩かれた頬にまた痛みが走るような気がする

私は生きなきゃいけない

馨さんの分も
思いっきり生きなきゃ
いけないんだ

それが遺された私に
出来る事なんだと思う

馨さんが生きられない分私は精一杯生きて
いかなきゃいけないんだ

馨さんが見たかった
と言っていた桜の花

私は毎年見に行くだろう

そしてそのたびに
馨さんを思い出す
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