初恋~ある女の恋愛物語~
いつものように正ちゃんとご飯を食べていた

バイトは休みだった

正ちゃんは仕事上がり

たまたまバス停に居た私を正ちゃんが見付けて乗せてくれた

ご飯の後に少しだけドライブをした

夜景が見える丘まで

いつものコースだった

車から降りて夜景を見ていた

寒くて凍えそうだった

でもその冷たさにあたりたかった

今はそんな気分

夜景を見ている私の隣で正ちゃんは何も言わず
隣に居てくれた

『風邪引くよ』

そう言って正ちゃんはスーツの上着を私の肩にかけてくれた

何でだろう

涙が出てきた

寒さのせいじゃない

私の気持ちのせい

どんどん涙は溢れた

私の涙に気付いた正ちゃんは私を抱きしめた

きつく…

きつく…

『思いっきり泣いてもいいよ』

私の涙は止まらなかった

ようやく落ち着いて車に乗った

『ごめんね』

正ちゃんは私の頭をポンと叩いた

その手が優しかった
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