初恋~ある女の恋愛物語~
『わかってる。ちゃんとわかってるはずなの。
でもこんな私が
幸せになってもいいのか不安になってしまう』

『幸せになっちゃ
いけない人なんか
居ないよ。千穂も俺も
幸せにならなきゃ
いけないんだよ』

『私は最低な女なの。
大介も知ってるでしょ』

『俺は最低な女だなんて思ってないよ。
少しだけ神様が千穂に
意地悪をしただけだよ。千穂は間違ってなんか
いなかったんだ。
だから今度は、俺と
幸せになれって
神様が言ってくれてる』

『こんなにも幸せに
なってしまって
何もかもが狂って
しまいそうで、怖いの』

『千穂』

大介は真剣な眼差しで
私を見ていた

『俺には千穂が必要で
千穂には俺が必要なの。俺と千穂には同じ未来が待ってる。
もう苦しむなよ』

私の涙を拭う、大介の
優しい手の温もり

やっと繋がったその手を離すわけにはいかない

この温もりを
離しちゃいけない
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