初恋～ある女の恋愛物語～

『俺の浮気相手として傍に居てくれない？』

バカじゃないの？

正ちゃんの言葉に私は絶句した

正ちゃんの横顔を見つめたまま何も言えなかった

こんな変な告白なんて聞いた事ないよ

『彼女にバレたらどうするの？』

『そうなってみないとわかんないよ』

そりゃそーだ

だからって、一緒に居る事は私にとって何になるっていうの？

正ちゃんは私に好きだとは言わない

どう考えても自分勝手な正ちゃん

私はどうすればいいの？

もうわからない

『正ちゃんは私が必要なの？それとも私の体だけ必要？』

沈黙が流れていた

考え込まないでよ

千穂が必要だって嘘でもいいのに

彼女の存在をはっきり認めるくらい堂々としてるくせに、なぜ堂々と嘘をつかないの？

どうしてそこは嘘をすぐ言えないの？

ごまかせば済むのに