初恋~ある女の恋愛物語~
正ちゃんはひどかった

私と居る時に携帯が鳴ると、普通に電話に出ている

それが遠距離中の彼女であっても

『家でテレビ見てる』

なんて平気で嘘をつく

平気で彼女に愛してるなんて言ってるんだ

大声を出してやろうかと何度も思った

でも勝ち目のない喧嘩をするつもりはなかった

私に勝ち目はないから

正ちゃんにとって私はただの遊びの女だから

そうじゃなきゃ私の前で、彼女に愛してるなんて言わないはず

彼女は正ちゃんをちゃんと信じているんだろうか?

私はそんな出来た女にはなれないと思った

正ちゃんの嘘はとても上手だった

彼女との電話を切ると何事もなかったように私にくっついてくる

私は何も言わずにそれを受け入れるだけだった

正ちゃんの気持ちを何一つ理解出来ない自分に戸惑った

このまま正ちゃんと過ごしていてもいいのかな?なんて迷いも生まれた
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