どっちが年上だか分らない
●One

私、南雲水城には兄と弟がいる
そして我が家の隣の草壁家は兄弟2人いて
小さい頃から5人兄妹のように育った私たちはある意味家族に近い

要は幼馴染みな訳だが家族以上の感情は持っていなかった
私は末っ子だが草壁家の拓斗が年下ということもあり
拓斗を弟のように見てきていたがどうやら向こうはそう思っていなかったようで
後にその気持ちに気づくことになるのだが鈍感な私が気づくのに
かなりの時間を費やすことになる


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実家に住んでいたのは大学生まで
大学を卒業して就職してからは家を出て東京で兄と2人暮らしを始めた
仕事が忙しいという訳でもなく帰ろうと思えば帰れるのだけど
自分から勧んで家に帰ることはあまり無くなった

なので今日は就職以来久しぶりの実家
たまには顔を見せろという母からのお願いで帰って来たという訳だ
幸いにも明日は休みなので泊まりがけの帰省だ

「帰省っていうほど遠くないんだけどね」

家の前でしばし佇みため息をつきながら家に入った


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