どっちが年上だか分らない
天王寺さんが会社に訪れてから数日が経ったが
特に何事も無く平穏に過ぎていった
あれだけのことを言いに会社に来たのだから
その後も何かしてくると思っていたけど取り越し苦労だったのかな
でも油断は禁物、そう思いながら仕事をこなしていた
今日も定時に仕事が終わり家路を目指す
最寄り駅に着くと「水城」と声をかけられた、振りむくと
「拓斗?」
「おかえり」拓斗が立っていた
「どうしたの翔ちゃんに用事?」
「いや・・」
「?」
2人並んでマンションを目指す
いつも口数が少ない拓斗だが今日はちょっと雰囲気が違う
どうしたんだろう?
「拓斗」
「ん?」
「何かあったの?最近よくこっち来るよね」
「翔さんから聞いた、その後何ともないか?」
「え?」
「視線」
「知ってたの?」
「ああ、どう?視線まだ感じるか」
「ううん感じたのは1日だけ、その後は何もないよ
だけど・・・!」「!」2人一緒に後ろを振り返った
この視線あの時と同じだ、まさかまた?
しばらく辺りを見回した拓斗は私の腕をつかむと歩きだした
「拓斗」
「後ろ見るな、とにかくマンションに急ぐぞ」
「うん」そう言いながら私たちは足早にマンションを目指した