どっちが年上だか分らない
マンションにたどり着き、部屋に入り鍵を閉めるとほっと胸をなでおろす
拓斗は窓に近づくと外をひととおり見まわしカーテンを閉めた
そしてケータイを取りだすとどこかに電話していた
私は着替えもせずソファーに座り込んだ
一体あの視線は何なの?凄く寒気がした あれは殺意のある視線だ
あの視線で思い出したのがあの日会社に来た女性、天王寺さん
彼女の視線に似ている
あの日彼女は忠告しにきたと言っていた、ということはこれの事なのか?
でも尾行だけで接触してくることはない、彼女は何をしたいのだろう
そんなことを考えていると電話を終わらせた拓斗が私の隣に座った
「翔さんこれからすぐ帰ってくる、そしたら話すから」
「拓斗何か知ってるの?」
「ああ」
「ひょっとして天王寺さん?」と聞くと拓斗がぱっと私を見た
「何でその名前」
「この間会社に来たの」
「本当か?」
「うん私が拓斗の隣に住んでいたことも今はここに住んでいることも知ってた」
と言うと拓斗の顔が険しくなった
「拓斗」というとドアがガチャッと開きバタバタと翔ちゃんがリビングに飛び込んできた
「翔ちゃん」