どっちが年上だか分らない

翔ちゃんは着替えもせずに私の正面に座り険しい顔で話しだした

「で、今日の視線はあの日のものと同じだったんだな?」

「うん多分同じ、でもあの日よりも強い悪意を感じた」

「悪意・・」

「天王寺が水城に会いに会社に来た」
と拓斗が言うと翔ちゃんの顔が一層険しくなった

「拓斗にはこれ以上近づけないから水城に接触してきたってことか
水城はそのオンナに何て返したんだ?」

「どういう関係かって聞かれたら幼馴染みって言ったの
そうしたら必要以上に拓斗に近づくなって
でも天王寺さんの一方的な思いなら金輪際拓斗には近づかないでって言ったの
そしたら彼女怒りだして会社を出ていった」

そこまで話すと腕を組んで考えこんでしまった翔ちゃん
拓斗も黙りこんでしまった
しばらくすると翔ちゃんはケータイを取りだしたかと思うと
電話をかけながら自室に入っていった

「水城」と呼ばれ拓斗を見ると

「この先何があっても水城は俺が守るから
これ以上あのオンナの好きにはさせない、俺と翔さんに任せて」

「拓斗、無茶だけはしないでよ」

「ああ分ってる」そう話すと翔ちゃんが部屋から出てきた


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