どっちが年上だか分らない

「まさかその”藍島”さんって」

「そう社長の息子だ
社長はまだ健在だがいずれは彼に譲るのだろうな
そのため今は勉強中といったところか
彼と話をしてみたが爽やかな青年だ、それに仕事もかなりできる
私はオススメだと思うのだがどうだろう?ただ無理強いはしない
見合いしないとどうなるということもないから断っても構わない、どうかな?」

「すみません、お相手の方には申し訳ないのですが
その話お断りさせてください、今はまだ仕事で頑張りたいんです」
とアタマを下げると

「そうか分った、じゃあ先方には断りの連絡を入れておくよ
時間を取らせて悪かったね、話はこれだけだ
時間も過ぎているしキリがいいなら帰って構わないよ」

「はい失礼します」と言い会議室を後にした

・・・

会議室を出たときはもう定時を過ぎていた
私は机の上を片付けると着替えて会社をあとにした
電車に乗り込み家路に向かう
最寄駅に着くと家までの道をさっきのことを考えながら歩いていた

まさか見合いの話が来るとは思わなかったな
見合いっていうとどうしてもイコール結婚という文字が思い浮かぶ
恋愛だってまだなのに結婚なんて考えられないよ、断って正解だよね

しかし相手の人、未来の社長だっけ
そんな凄い人が私にひと目ぼれってホントなのかな?
断ってもどうということはないって言ってたけど大丈夫だよね
そんなことを考えながら家に帰った


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