どっちが年上だか分らない
最寄り駅に着き家に向かっている間
特にお互い何も話さなかったがぼそっと拓斗が呟いた
「何で合コンなんかに出たんだ?」
私が顔を上げると拓斗と目があった
そして前を向くと
「・・・最初の頃は仕事覚えるのにいっぱいいっぱいで
他のことを考える余裕がなかったの
働きだしたばかりなのに恋にうつつを抜かす暇があるなら
仕事覚えた方がいいって思ってたし」
「・・・」
「やっと仕事にも慣れて動けるようになったら
まわりを見れる余裕もできてきて・・
今回は友達に誘われたの、最初は躊躇したんだけど
あまり難しく考えないでって言われて
恋人じゃなくても友達ぐらいはできるかなって軽い気持ちで参加したの
まわりは真剣に恋人探ししてるのに
私1人そんな気持ちで参加するのが気まずくて・・
お店の前まで来たら何だか帰りたくなっちゃってね
とりあえず顔だけ出して帰るつもりだったの
そしたら拓斗がいてびっくりした」
「・・・」
話をしながら歩いているとあっという間にマンションの前まで来ていた
私は拓斗に向き合うと
「心配かけてゴメンね、送ってくれて有難う じゃおやすみ」
「ああお休み」
そう言い家の中に入ったが
拓斗は何か考えているようで暫くのあいだマンションの前で佇んでいた