ヒーローの君
そこに、筋のしっかり通った男の人の声が響いた。
「何やってんだ、てめえら!!」
男たちの手が思わず止まる。
私は声の主の方を懸命に振り返った。
そこに立っていたのは、私と同じ学校の制服を着た男子生徒−−−−栗本修一だった。
栗本のことは入学当初から知っていた。入学式の日に、同学年に超イケメンがいると女子の間で話題になったのだ。
どのくらいイケメンかというと、入学後数日間は教室の入り口に人集りが出来たくらいだ。
しかし、誰が話しかけても無愛想にそっけなくあしらうので、今はもうそこまでの人気は失っている。
ただ、そんなやつでもやはり顔が良いだけで根強いファンもいる。
そんな無愛想で無気力な栗本が、大きな声を出して現れたのだ。
「見れば分かんじゃん?」
片方の男が答える。するともう1人の私に顔を寄せて、あの人彼氏ィ?、と尋ねてきた。
私が考えるほどの間を与えずに、栗本が答える。
「俺の彼女だ。一刻も早く離れろ」
人をも殺しそうな眼光で言い放たれた言葉に目を見張る。
え、今彼女だって言った?どういうこと?
いつもなら分かりそうなことも、恐怖とか不快感とか驚きとかたくさんの感情にかき消されて頭が回らない。
ほんと?と男に問われて、訳も分からずとりあえずこくこくと頷いた。
すると、男から舌打ちが聞こえる。
それを聞いて、栗本はいきなり挑発するようにニヤリと笑った。
「何やってんだ、てめえら!!」
男たちの手が思わず止まる。
私は声の主の方を懸命に振り返った。
そこに立っていたのは、私と同じ学校の制服を着た男子生徒−−−−栗本修一だった。
栗本のことは入学当初から知っていた。入学式の日に、同学年に超イケメンがいると女子の間で話題になったのだ。
どのくらいイケメンかというと、入学後数日間は教室の入り口に人集りが出来たくらいだ。
しかし、誰が話しかけても無愛想にそっけなくあしらうので、今はもうそこまでの人気は失っている。
ただ、そんなやつでもやはり顔が良いだけで根強いファンもいる。
そんな無愛想で無気力な栗本が、大きな声を出して現れたのだ。
「見れば分かんじゃん?」
片方の男が答える。するともう1人の私に顔を寄せて、あの人彼氏ィ?、と尋ねてきた。
私が考えるほどの間を与えずに、栗本が答える。
「俺の彼女だ。一刻も早く離れろ」
人をも殺しそうな眼光で言い放たれた言葉に目を見張る。
え、今彼女だって言った?どういうこと?
いつもなら分かりそうなことも、恐怖とか不快感とか驚きとかたくさんの感情にかき消されて頭が回らない。
ほんと?と男に問われて、訳も分からずとりあえずこくこくと頷いた。
すると、男から舌打ちが聞こえる。
それを聞いて、栗本はいきなり挑発するようにニヤリと笑った。