釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
#2
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さらさらとした黒髪。
間繰り上げて作業着の袖からむき出しの、ほどよく筋肉のついた男らしい腕。
私よりも頭3個分は高い身長。
作業着が魅せる背筋の伸びた綺麗な体のライン。
爽やかで人懐っこい笑顔と白い歯。
一見、爽やかで、綺麗な顔立ちから、私なんかが近寄ってはいけないような人だけど・・・
清掃員という職種と、冗談話ができる普通の・・・
年下の彼。
そんな君に交際を迫られる夢を見た朝は
甘酸っぱくて・・・
幸せで
どこか切ない気持ちで目が覚めた。
「こんな夢を見るなんて重症だ・・・」
夢で会えたのは本気で嬉しいけれど
職場を移動になった私が今後、響君に会える確率はあまりにも低い。
低い上に、連絡先さえ聞かれてないんだ。
彼が私を恋愛対象として意識してる確率は数%にも
満たないだろう。
それにプラス
私は彼よりも4歳も年上。
20代前半での年の差と、三十路一歩手前の4歳差とでは、全く違うのだ。
そう考えれば私が彼の恋愛の対象になれる確率は皆無。
諦めろってこと。
・・・分かってる。
ちゃんと分かってる。
分かってる。
〃だけど。〃なんだ・・・。