釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
だけど・・・予習はしていたものの
約10時間のフライトと時間差は、海外まで飛行機に乗ったことのない私から体力を奪い、あれほどウキウキワクワクだったのに、顔にはだせないけど、なんだかとても疲労困憊。
空港を出ると直ぐに、レンタカーを借りにいく。
「響君のお母さんの経営するホテルに行くんだよね?海の目の前だって聞いたから水着持ってきちゃった」
「そうだね。でも、今日は彩葉ちゃんも疲れてるみたいだし、ホテルまでの移動時間を考えたら今日はゆっくりして明日から楽しもう?」と、予想外の反応に少しだけ淋しく感じた。
疲れた顔を見せちゃってたかな・・・?
なんだか申し訳ないのと
私と響君のテンションの違いに少しだけ
ほんの少しだけ淋しくなってしまう。
楽しみにしていたのは私だけなのかな・・・
そんなことが頭をよぎって
移動する車の中では微妙な沈黙が続いてしまった。
ホテルに着くと直ぐにチェックイン!!
部屋まではガードマンさんもつくわけないからようやく二人きりになれる!!
そんな甘い期待と裏腹に、響君は私に2枚のカードキーの内の1枚を渡した。
一瞬、その意味を理解できなかった私に
「何もできないのに、二人きりはちょっと我慢するのに辛いから・・・」と苦笑いを浮かべた彼。
「そ、そうだよね。響君のお母さんとの約束もあるしっ・・・」
慌てて、理解してる素振りを見せたけど
ほんの少しでも期待をしていた自分が恥ずかしくて・・・
惨めで
泣きそうな気分。
二人の未来が欲しくて頑張ろうと約束をしたのに
私はなんて甘い考えでいたんだろう・・・
部屋に着くなり
色んな事が想像と違って
泣けてきた。