釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
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二人きりのホテルの部屋
ベッドの上で向かい合いながら座り込む。
本当に式をあげたなんて、まだ信じられないのに、高陽したままの気持ち。
「昨日はみんなと打ち合わせしたくて、彩葉ちゃんに淋しい思いをさせてごめんね?」
私の家族もみんな、響君がこのホテルに招待してくれていた。
しかも、私達より数日前には到着して旅行を楽しんでいたと聞いた時には驚いた。
でも、私の身内は明日の飛行機で一足先に帰国予定。
「ううん。最高のサプライズ、ありがとう。
こんな夢みたいな結婚式挙げれるなんて夢にも思ってなかった・・・」
「明日、彩葉ちゃんの身内が帰国する前に改めてお互いの両親に挨拶にいくよ?」
「わかった!!」
「気合い充分って感じだね?」
「勿論だよ」
今なら空でも飛べそうな気分。
だって
響君が私の旦那様。
私は神門彩葉になるんだもん。
それ以上の幸せなんて考えられない。
「夢じゃないんだよね?」
彼の隣にちょこんと座ると
「現実か、確かめられる一番の方法があるよ?」と、私の肩を抱き寄せる。
「どんな方法?」
「心が夢見心地なら
体で感じる事が一番、リアルでしょ?」
突然、意地悪な笑みを浮かべたかと思うと
直ぐに唇を重ねる。
強引で、優しくて、とろけてしまいそうな激しいキス。
「響君は王子様って柄じゃないよね?」
キスの合間にからかうと
響君は私を押し倒して
首筋を優しくて撫でる。
「おあずけ期間が長いと、いくら王子様でも狼になるんだよ?」
やっぱり
私の王子様は
優しくて格好良くて
強くて
ちょっとえっち。
そんな君の全部が大好きだから
私の全部を君にあげたい。
釣り合わない格差婚でも大丈夫。
だって私はあなたのことが死ぬほど大好きだから
END