釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
「頭、痛いの?」しゃがみこんで私の顔を覗きこむから
私は力なく首を横に振った。
なんとなく、知らない響君を見たようなショック感かもしれない。
会社で雑談してた時のような、気兼ね無さを感じる事ができなかった。
「響君が・・・知らない人みたい。」
小さ呟くと、私の顔を覗き込みながら、響君は困ったような表情で私の頭を優しく撫でた。
「俺は彩葉ちゃんの知ってる俺だよ。
だけど、きっと、彩葉ちゃんが知らない俺ってたくさんあると思う。
けど、恐がらないで?
俺は彩葉ちゃんを恐がらせたい訳でも、傷つけたい訳でもなくて
ただ、会えないかもしれないと思いながら行ったら本当に会えて、それが嬉しすぎて・・・
君の気持ちも考えないで、強引に食事に誘っちゃった・・・」
まるで
響君が私に片想いしているような言い方。
それでも好き。とは言ってくれない。
無理もない。
例え気持ちがあったとしてもプライベートで会うのは今日が初めてで
もしかすると、好意に感じるその言葉は
単に友人としての気持ちを、私が都合よく脳内変換させてるだけかもしれないし・・・。