釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
「・・・響君って。
女性慣れしてそう。」
つい、思ったままを口にしてしまうと、少し驚いた様子で、響君は慌てて、大きく首を横に振った。
「じ、女性慣れなんてしてないよ・・・?
確かに姉はいるけれど・・・
そういうのとは違う意味で言ってるんだよね?
それなら・・・
こんなの初めてで
だから上手にエスコートもできなくて・・・」
予想と違って、とても慌てているその様子を見ていたら、何だか悪い事を言ってしまった気持ちになったけれど・・・
慌てている姿が可愛くて、思わず笑ってしまった。
そんな風に慌ててしまう理由が知りたくなっちゃう。
ねえ
ダメもとで聞いてみたい。
ほんの僅かでも
私って恋愛の対象になってるかな?って、
くすくす笑っていると、気付いた響君が安心したように微笑んだ。
「やっと、いつもの彩葉ちゃんになった。」
「・・・響君だって。やっといつもの響君って感じ」
久しぶりで緊張してた。
それが片想いの相手だから尚更。
まるで初恋みたい。
何年も色恋沙汰からかけ離れた生活をしてたから
片想いがこんなにわくわくするなんて忘れていたかもしれない。
大好きな君の全てに一喜一憂。
もう少し、この片想いを諦めなくても・・・いいかな?