釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
若い頃の方がもっと、自分に都合よく、積極的に恋をしていたかもしれない。
いつの間にか、自分でも気が付かないうちに、こんなに内気になってしまった。
無鉄砲だった若い頃と比べて
私が大人になったからなのか・・・
年下でイケメンの彼と私とじゃあ、釣り合わないことを
どこかで理解しているからなのか・・・
片想いでさえ
自信をもってできなくなってしまうなんて・・・
臆病すぎる。
「彩葉ちゃん?ごめん。まだ怒ってる?」
「えっ・・・?」
「だって、難しい表情してる。」
「ごめん。そうじゃないの・・・。
ただ、自信が無くて。」
すると、響君は優しく微笑んで私の頭を撫でた。
「もっと、自分に自信をもちなよ。いつも頑張ってる君を見ていた俺が言うんだから間違いない」
「・・・ありがとう」
でも、きっと響君は私が仕事の事で自信を無くしてると勘違いしてる。
私が本当に自信が無くて、不安なのは
君の瞳に・・・
私がどう映っているのか分からないから・・・。
恋愛って
もっと簡単だった気がしたのは
私の今までの恋が全部、もう終わっちゃったものとして、記憶に残っているからなのかもしれない。
響君と出会って
私はまるで初恋に恋をしているよう。
過去の恋なんて
何の糧にもならない。
響君の前では・・・ね。