釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~



「でもさ、結局メイクって自己流になっちゃうよね?」

「本当。面接ではすっぴんのほうが良いって言ってたけど実際ニキビ痕丸出しで外なんか出たくないし。でもだからって、ナチュラルメイクって難しいんだよね」


パフェを食べながら聞こえてきた声に振り返ると、就活中の大学生だろうか、4人グループがスイーツを食べながらメイクについて盛り上がっていた。

職業柄だろうか、失礼かと思いながらついつい、耳をそばだててしまう。


確かに、私が初めてメイクをした時もティーン雑誌のメイク特集を見よう見まねで始めた。

確かに、若い世代がプロの誰かに学びながらメイクをする。何てことは実際、なかなか難しいだろう。

友達のメイクの良いところを真似てみたり、大抵の子は、やはり雑誌から知識を得るものだ。


そうやってメイクしていくなかで、段々、自分らしいメイクになっていく・・・

「彩葉ちゃん・・・?何か考え事?」

「あ、ごめんね。なんでも・・・ない。」


でも、今の会話の中で、ヒントを得られた気がしたの私は、仕事で試したい事ができて、内心うずうずしていた。


その後、映画を観に行ったりした中でも集中できない。

そんな私の様子を察したのか・・・

「なんか、ごめん。デートつまらなかった?」と、しょんぼりする響君の顔を見て、ようやく私も彼に対して、してはいけない態度をとっていたことに気付いたんだ。


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