釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
「思いきり仕事のこと考えていーよって言ってあげようかと思ったけど、やっぱり止めた。まだまだ彩葉ちゃんと離れたくない。
俺って・・・わがまま?」
「全然っ。
だって私も同じ。」
「それなら、もっと一杯。もっとたくさん彩葉ちゃんの考えてること聞かせてよ。」
抱き締めてくれていた腕を解いて、私の手を引く。
こういう時、誰にも邪魔されない二人きりの空間で一緒にいたくなる。
けど・・・
私のアパートがボロ過ぎて「うちに来る?」なんて恥ずかしすぎて言えない。
かと言って「響君のお家に行きたいな。」も恥ずかしくて言えない。
響君は、私の家に行ってみたいとも言わないし、俺んち来る?とも言わない。
だからと言って、ホテルに誘うような事もない。
前に酔っぱらって倒れた時も、ホテルの一室に二人きりの状況でも、只、介抱してくれて、私の体調が戻ったら家の近くまでタクシーで送ってくれるだけだった。
まあ、あの頃は付き合ってもなかったし、直ぐに体の関係を求められない事は、大切にされてる気もするし。
だけど・・・ちょっと物足りない。
キスやハグだけじゃあ物足りない。なんて・・・
私は物凄く欲ばりなんだろうか?