釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
「さあ、次ぎは何をしようか?」
何をしようかと言われても、したいことはたくさんできた。
23時も過ぎて開いてるお店も限られてきて
私が唯一したいことと言えば、ただ・・・響君と一緒にいたい。ってことだけ。
私の返事を待つ君にどう伝えたらいいのか。
簡単なはずの言葉はなかなか上手には出てこない。
「それとも・・・明日も仕事だし、もう帰りたい?」
気遣ってくれてる言葉に私は首を思いきり横に振った。
「・・・帰りたくない。
まだ・・・
一緒にいたい。」
繋ぐ手に力がこもる。
恥ずかしくて俯いてしまった。
響君は何も言わない。
帰りたくない。なんて・・・困らせてしまっただろうか?
反応が恐くて、恐る恐る視線を上げると、響君は
真っ赤な顔をして口を一文字に私を見ていた。
目が合うと
お互い気恥ずかしさで
また逸らして
目が合って
こんなにくすぐったいのに
なかなか
素直に。
というのは難しいものだ。
「ごめんっっ!やっぱりなんでもない!明日も仕事だし、帰ろうか⁉」
恥ずかしさと何も答えて貰えないきまずさから、慌てて口を開いたのは私の方だった。