釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
どんな顔をして待っていればいいのか分からなくて、叫び出しそう。
「彩葉ちゃん!!」そんなところで、電話を終えた響君が少し慌てて駆けてきた。
「ごめんっ!!急用ができちゃったんだ‼」
「えっ?あぁ・・・そうなんだ・・」
それが本当の事なのかは、響君の少し慌てた顔色を見れば一目瞭然だった。
「本当にごめんね!」
手を合わせる彼に私が言ってあげれる事はただ1つ。
「私は大丈夫だから、気を付けて行ってきてね。」
「本当にごめん。タクシーひろって家まで送るから」
「えっ‼」
家⁉
それだけは止めて‼
「大丈夫‼何の問題もない‼子供じゃないんだから一人で帰れるから‼」
「それは俺が心配‼」
「いいの‼」
少し強い口調になってしまった。
響君はちょっと傷ついた顔をしたけれど「分かった。気を付けて帰ってね」と、静かに微笑んだ。
その表情が
チクりと私の胸に突き刺さって
凄く・・・罪悪感を感じたんだ。
隠し事はよくないかもしれない。
家がボロいのを知られる事が嫌なんて
私のわがままなんだから・・・。