釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
#5
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「佐野店長、面接希望の電話です。」
「はーい!」
「それにしても店長も考えたね。まさかプロのメイクアップアーティストを雇って、店の一角でメイク講座なんて・・・」
「それが可能になのは、引退して子育て世代に絞った求人をだしたからじゃない?」
「本当。求人広告だした日から電話がきてるもんね。今ので何件目?」
「私が知る限り18件目。しかもマンツーマン一回1000円でスキンケアの仕方からどんな化粧品があうかまで指導して貰えるんでしょ?
私も受けたいわ・・・」
「芸能人のメイクしてた人がこの間、採用されてたよー。」
まだまだ、この新しい計画は始まったばかり。社長が認めてくれなかったら出来なかったことだ。
プロのメイク講座もやってる店舗第一号として、失敗したくはない。
でも、予想を反して沢山の応募者が来てくれたことが嬉しい。
この時給で雇えるのも、子供がいても好きな仕事に触れていたいと考える人達がいてくれたから叶えられることであって
この思い付きを一人で実現することは不可能だった。
メイク講座の予約の電話も連日、事務所で鳴り響いた。