釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
#6
*******(響side)****
ふて腐れた表情で頷く、そんな可愛い白兎を見ていると、出会った頃を思い出す。
「緒方ぁぁぁっっ‼‼なんでこう365日変わらず、もう5年も俺はこんな小さな部屋に閉じ込められて
活字を見てるわけっっ‼‼」
仕事のストレスから、爆発寸前だった。
「ご自分が多忙なお父様の代わりに一つ会社を引き継ぐ。だなんて言ったからでしょう?
貴方にまだそんな力が無いから止めるよう私はちゃんと5年前、貴方に言い聞かせたはずです。
恨むなら〃自信〃しか取り柄の無かった過去のご自分を恨んで下さい。」
緒方があんまりバッサリ俺を切るから、たまにどっちが上司か分からなくなる。
「でも、親父の頃と、特別、業績は変わってない。」
「それは、お祖父様の時代の努力です。貴方の仕事ぶりが良くて、業績が低迷しないのではなく。
お祖父様、お父様の時代でHAKUTOのブランドが強くなったからです。
決して、貴方の腕ではありません。」
「・・・俺、5年も頑張ってるのにその言い種、酷いよね」
「たかだか5年です。
もっと細かく言えば朝から晩までここに閉じ籠っとるのはまだ二年ですね。」
「ストライキしてやるーっっ‼‼」
「社長が仕事をストライキしてどうするんですか・・・
呆れて言葉も出ない。
と、言いたいところですが・・・
気分転換ならご自由に。
貴方も、貴方の下で働く人間をもっと身近に感じるべきです。」