釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
よく、母さんが言ってるような
出会った瞬間にビビビッと電流が走るような刹那に沸き起こるような想いじゃない。
何気ない時間のなかで、自分でも気付かぬうちに育っていた想い。
自然すぎて、全く気付いていなかった。
君が誰かと一緒にいるのを見て、自分の中にもこういう風に誰かを想う気持ちがあるってこと産まれて初めて知ったんだ。
誰かに振り向いて貰いたいと思ったのは・・・
産まれて初めてだったんだ・・・。
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ふて腐れながら頷いた私に、響君は続けた。
「俺にとって、生まれや、地位なんて、恋愛には関係ないと思うんだけど・・・?」
それは、響君だからそんな言葉が言えるのよ・・・。
ついさっき、釣り合わない。縁を切れ。と、交渉金まで持って来られた私としては、生まれの違いや地位が恋愛に全く関係ないなんて思えない・・・。
もちろん、交渉金なんて突き返した。
お金で切れる縁なんかじゃない。
お金で気持ちがどうにかなるものじゃない。
それでも、神門財閥の一人息子と聞いて・・・
自分の務める会社の社長と聞いて・・・
響君と私なんかが釣り合うなんて到底、思えない。