釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
「納得いかない顔をしてる。」
不安そうに聞くから、条件反射のように「違う!」と、言ってしまったけれど、違うことなんて何もない。
きっと、私達が離れることに賛成する人間が多くても、きっと・・・私達が交際していることに反対する人間は誰もいない。
好きだから反対を押し退けて自分の気持ちを貫き通す事が、響君の幸せに繋がるとも思えないのに・・・
手放したくない。
好きでいたい。
好きでいてもらいたい。
響君の彼女でいさせて欲しい。
こんなわがままばかりが頭のなかに次から次へと浮かんでくる。
響君のスーツの袖をキュッと握って泣きそうな気持ちを堪えながら、君が「いいよ。」って言ってくれることを確信して、私はわがままを言ってしまう。
「響君の事、好きでいたい。」
そうすると、君はやっぱり、安心したような微笑みを浮かべた後で、私をキュッと抱き締めて囁いた。
「絶対に離さないから・・・」
どうしてこんなに好きなのか分からない。
ただ、君の何かに凄く惹かれてて
まるで、私達は出会うべくして出会った相手のように錯覚してしまう。
本当の君のことなんて何一つ分かってないと誰かに言われても
私の前にいる響君が私にとっての〃本当〃だから。
きっと、知らないことはまだたくさんあるだろうけど
二人のことはゆっくり時間をかけて二人で決めていきたい。なんて・・・
響君の彼女事情も考えることができない、子供な私がいた。