釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
「まだ・・・根雪にはならないかな。」
きっと、皆、寒い寒いと言って帰ってくるに違いない。
我が家で一番高級家電(購入時は)の床暖の電源をいれる。
こんな風に家族と過ごすクリスマスの準備をしていると、毎年送っていたぼっちクリスマスが良い思い出だ。
一緒に過ごす彼氏どころかクリスマスはいつも残業。
スーパーの閉店間際に値引きされたチキンとケーキで、来年こそは彼氏と過ごしてやる!!なんて淋しいクリスマスを過ごしていた。
きっと、来年も家族で過ごすクリスマスかな・・・?
オードブルを盛り付けていると、遠くから引き戸が開く音と一緒に甥っ子たちの元気な声。
次に、お母さんと次女。
久しぶりに妹や甥っ子達の顔を見て、今年は賑やかなクリスマス。
だけど、甥っ子達はご飯もほどほどに遊び始めて、いつまでもだらだら喋りながら食事をするのは大人達。
「彩月、旦那さんおいてきて良かったの?」
「旦那はクリスマスは毎年、仕事。いつも子供と三人でクリスマスだよ。だから今年は呼んでもらえて助かったぁ」と、昔から人懐っこい笑顔は変わらない三女の彩月。
「彩花は?折角のクリスマス婚約者と一緒じゃなくて良かったの?」
そう聞く私に余裕の返答。
「独身最後のクリスマスくらいは、実家でね。折角、姉ちゃん帰ってきてるし」
三姉妹中で唯一、背が高く美人系の彩花は、昔から自信に満ち溢れた言動が多い格好良い系女子。
「それに、彼氏とは昨日デートしてるし。」と、言いながら思い出したようにバッグから小さな箱を取り出した。