釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~


「心配しないで。嬉し涙だから」

涙を拭いながら答えると、「ビックリしたじゃんと」彩花。

「そう言えば、そのエンゲージデザインのキャップに何かメッセージが隠されてるんでしょ?」と、彩月。

メッセージ?

メッセージがあるなんて私も知らされていない。

「発売日当日、一瞬だけHAKUTOのホームページに記載されたっていう噂があってね。

製造直前にHAKUTOの社長が会えない恋人へのメッセージを入れるように頼んだって。本当にそれがホームページに載ったのは一瞬だけで。って噂で。

それが本当ならロマンチックだよね。

それを確かめたくて買ってる人も多そう。」

「彩月、なんでそんなに詳しいの?」とちょっと呆れ顔の彩花に、彩月は幸せそうに「あのドラマの俳優さんの大ファンなの」と頬を染める。

「ね、ねぇ、彩花・・・本当にメッセージがあるか・・・見ても良い?」

焦る気持ちから、受け取った香水を持つ手が震える。だけど、キャップをどの角度から見てみても、メッセージらしきものはどこにも見当たらない。

やっぱり。

そう思いつつも、どうしようもないくらい、ガッカリしてしまう。

「なんか書いてた?」目を見開く彩月。

「・・・何も書いてなかった。」

ガックリしながら香水を返すと、同じように色んな角度からキャップを見ていた彩花が不思議そうに呟いた。

「お母さん。虫眼鏡ある?エンゲージリングのデザインのところに凄く小さい傷があるように見えるの。」

彩花の言葉に私と彩月は思わず視線を合わせた。

お母さんから虫眼鏡を受け取った彩花がキャップを覗き込みながら口を開いた。


"永遠の愛を誓う"






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