釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
すると「姉ちゃん大変っっ!!」と、彩月の慌てふためいた声が聞こえて、何事かと飛んでいったら、様子のおかしいお母さんと彩月が玄関の踊り場に見える。
「どうしたの?何かあった?」
ただ事ではなさそうな雰囲気に、少しビクビクしながら彩花を連れて近寄ると
驚いている様子の二人の前に見えたスーツ姿の人影
目があった彼は、今まで私が見たこともないくらいの真剣な表情をした響君、本人だった。
状況が掴めず、言葉もでなくて、呆然と立ち尽くす私を見て
響君はその場でゆっくり方膝をつくと、私の右手をそっと掬い上げた。
「響君・・・?なんで?どうしてここにいるの?」
頭の中が真っ白で
何が起こっているのか理解ができない。
そんな私に彼はポケットからあの香水を取りだし私に差し出した。
「僕は恋に落ちた王子様。
姫君の気持ちが知りたくて、聖夜には間に合わなかったけど、自家ジェット飛ばして此処まで来てしまいました。」
「「「・・・えっ⁉自家ジェット機⁉」」」
驚いて声をあげたのは私の後ろのにいた三人だ。
目の前に
いるはずない響君の姿がある。
ずっと会いたかった響君が目の前にいる。
ただそれだけで
涙が滲んで
溢れてきちゃう。
「・・・なんで?
なんで来ちゃうの?
私と響君とは釣り合わないって・・・・思いしさらされたじゃない・・・?」
「この間は、不意を突かれて君を守れなかった。
君を傷つけてしまったことを心から申し訳なく思ってる。
でも、もう君を二度と傷つけない。
僕の人生を懸けて誓う。
だから・・・
君の気持ちを教えて欲しい。
もしまだ・・・僕に望みがあるならこの香水を受け取ってくれないか?
君の大切な物を奪った僕が許せないなら、一生懸けて償うよ。
でも、顔も見たくないならそう言って・・・
・・・僕の初恋は・・・
君に終止符を打ってもらいたい。」
もう一度
香水を差し出す響君は
不安そうに
緊張した面持ちで、私を見つめた。