釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
私だって響君が大好きだ。
本当に本当に大好きなんだ。
でも、私達は誰からも認めてもらえない。
好きなのに
受けとりたいのに
恐くて
体が動かない。
方膝をついたままキュッと不安気に目を閉じた響君。
その表情を見た瞬間、彼のこんな顔を見たくない気持ちが、沸き起こって
それと同時に小突かれた背中。
その香水を両手に持った時、自分が何を考えていたかなんて思い出せなかった。
けど、涙で視界が遮られた瞬間
強く強く抱き締められた。
涙は零れ落ちる前に君のスーツに染み込んでいく・・・
「神門の名前なんか関係ない・・・
〃響〃っていう・・・一、個人の俺と結婚して下さい」
耳元で聞こえた声
私が頷く前に、家族の黄色い歓声が盛り上がる。
「でもっ・・・でもっ・・・」
香水を受け取ったけれど、響君の家族の事を考えたら素直に頷けない。
響君がここまで来てくれたのに、私はとても臆病で・・・
涙ばかり溢れてしまう。
「YESって答えてくれないと・・・勝手に君をどこか遠い所につれさっちゃうよ?」
「・・・そんなこと駄目だよ。」
煮えきらない私の耳元で響君はもう一度囁いた。
「君がYESと言うまで何度でも言うよ?
君が好き。
君がいない人生なんて要らない。
君を誰にも渡したくない。
君の瞳に映るのが、例え夜空に輝く星だっとしても、僕はその星にさえ嫉妬するくらい君が好き。」
強く強く私の体を抱き締めたあと
ゆっくり体を離した彼は、キスをするように顔を近付けて止まらない私の涙をぺろっと舐めた。