釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
「暫く、アメリカにいたけれど・・・響、貴方のことはいつも緒方から話を聞いていたわ。
そして私が思ったことは一つ。
「あなたはまだまだ、人として未熟すぎる。大人になりきれてない貴方に、まだフィアンセを迎え入れるには早すぎる。
先ずは貴方が今受け継いでいるHAKUTOで、本当にトップとして、相応しい人間になりなさい。
先ずはそこからよ。
そして、そうなるまで、交際をするなとは言わないけれど清く健全な交際であること。
それは男としての責任よ。
その条件を満たすことができれば、貴方達の結婚を認め、彼女を神門家に迎えいれましょう。」
奥様のだした条件に、一瞬、戸惑った様子で私を見詰めた響君に、私は微笑み返す。
「私は・・・認めてもらって貴方と一緒になりたい。」
例えそれが何年、何十年先の話になったとしもだ。
反対を押しきるより、認めて貰えた上で好きな人と一生一緒に居ることができるのなら
それ以上に幸せな結婚なんてないはずだ。
暫く私の顔を見詰めていた響君は、ようやく意を決したように頷いた。
「何年も待たせないから、安心してね?」
「大丈夫。響君の一番で居られるなら、いくらでも待てるから。」
こうして私達の清く健全な交際は
改めて再スタートを迎えた。