釣り合わない！！～溺愛コンプレックス～
#10
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
それから数ヵ月後・・・・
ヂリリリリリリッッッ！！
けたたましく鳴り響く目覚まし時計は午前5時を指していた。
2時間は寝ていただろうか？
寝ていた気もせずに、回転の悪い脳みそを使いながら、洗顔フォームで歯みがき・・・・
「不味っっ！！もぉ～っっ！！またやっちゃったぁ！！」
苦すぎる口の中を濃いめのうがい薬でゆすぐ。
歯みがき粉と洗顔フォームを間違えるのは今週で２回目。
今週ももう今日でようやく終わる。
今週はトータルで何時間、睡眠をとれただろうか・・・。
朝食も摂らずにスーツに着替えると、形の崩れ始めた黒のパンプスを履いて、慌てて外に飛び出す。
普通のOLなら、この時間の出社で遅刻なわけがない。
だけど、私の場合は違うのだ・・・。
朝の6時前までに出社しないと仕事が間に合わないのだ。
コンビニで菓子パンとスムージーを買って、早歩きをしながら甘いパンにかぶりつく。
地下鉄の始発よりも早い出勤が可能なのは、私の住むアパートが職場から歩いて20分くらいの場所にあるということだ。
私は
響君のお陰で、会社に出戻ったのだ。
そう。
大好きな企画部に。
