釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~


事情を知らない仲間たちには凄く驚かれたけれど、それ以上にあの香水が今も製造が追い付かないほどの人気ぶりだということを喜びあった。

そして、私はまた新しい企画に挑戦中。

そんなことで、まだ誰も出社してないロビーを、ヒールの音を響かせて歩いている。

けど、以前と違うのは、もう清掃員の響君がいないということだ。


エレベーターのランプが6階で止まっているのを確認すると、それだけで彼が既にここにいることが分かる。

エレベーターホールで、私がボタンに指を伸ばすより先に


ランプが6階から段々と下りてくる。

私の待つ1皆で止まると

ゆっくり開いたドアの向こうには、やっぱり響君がいた。


「社長、おはようございます。こんなところで出会すなんて、偶然ですね」

「必然だよ。君が来るのが窓から見えたから迎えに来たんだ。

おいで。」


そう言って手を取りエレベーターの中へ私を導くと、ドアが閉まるよりも先にキスをくれる。

「誰かに見られたら大変ですよ」

「俺は公にしたいくらいだよ。

でも、大丈夫。

今、ここには君と俺しかいないんだから。」


優しく微笑んで髪を撫でてくれる。

もう少しだけ一緒にいたいのに・・・エレベーターは私の下りる皆で、直ぐに扉を開けてしまうんだ。


私達のために、もっとゆっくり動いてくれるエレベーターがあればいいのに。

名残惜しさを残してエレベーターを下りると

もう

恋人気分ではいられない。

今日も朝からせっせと仕事に打ち込む。





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