社長は今日も私にだけ意地悪。
社長は私を抱えたまま、なんと社長室のあるフロアまでやって来た。
社長室の前では、この間廊下で見た社長秘書ーー美咲さんがいた。
「社長、お戻りが遅いから心配してーーって、どうされたんですか⁉︎」
美咲さんは、私を抱える社長の姿に、切れ長の目を丸くして驚いた。
……近くで見ると、本当に綺麗な人だと思う。
美人で、話し方や仕草もおしとやかで、私とは何もかもが違う……。社長の隣がよく似合う人だと感じた。
「マネジメント課の社員だ。具合が悪いようだから休ませてやりたい」
「まあ、大変! じゃあ私が介抱します」
「いや、いい。俺が看る」
社長がそう言うと、美咲さんは戸惑いながらも社長室のドアを開ける。
……美咲さんごめんなさい、と心の中で必死に謝る。自分の恋人がこんな風に他の女を抱えていたら誰だって嫌な気分になるだろう。
それなのに「無理はしちゃ駄目よ」と優しい声で私にそう言ってくれる彼女は、どれだけいい人なのだろう……。私は、社長の恋人であるあなたに、もの凄く嫉妬しているのに……。
社長も社長だ。美咲さんが介抱すると言ってくれているのに、そんな風に突っぱねたら美咲さんが誤解してしまうとか思わないのだろうか。
社長室の前では、この間廊下で見た社長秘書ーー美咲さんがいた。
「社長、お戻りが遅いから心配してーーって、どうされたんですか⁉︎」
美咲さんは、私を抱える社長の姿に、切れ長の目を丸くして驚いた。
……近くで見ると、本当に綺麗な人だと思う。
美人で、話し方や仕草もおしとやかで、私とは何もかもが違う……。社長の隣がよく似合う人だと感じた。
「マネジメント課の社員だ。具合が悪いようだから休ませてやりたい」
「まあ、大変! じゃあ私が介抱します」
「いや、いい。俺が看る」
社長がそう言うと、美咲さんは戸惑いながらも社長室のドアを開ける。
……美咲さんごめんなさい、と心の中で必死に謝る。自分の恋人がこんな風に他の女を抱えていたら誰だって嫌な気分になるだろう。
それなのに「無理はしちゃ駄目よ」と優しい声で私にそう言ってくれる彼女は、どれだけいい人なのだろう……。私は、社長の恋人であるあなたに、もの凄く嫉妬しているのに……。
社長も社長だ。美咲さんが介抱すると言ってくれているのに、そんな風に突っぱねたら美咲さんが誤解してしまうとか思わないのだろうか。