社長は今日も私にだけ意地悪。

カーテンから溢れる朝日に反応して目を覚ます。
隣には、すやすやと気持ち良さそうに眠る社長の姿。

夕べのことを思い出して恥ずかしくなるけれど、とっても幸せだった……。


壁掛け時計を見ると、時間は朝七時。
今日は休日だから起床時間を気にすることはない。


さら……と、彼のさらさらの前髪をそっと撫でてみると、それに反応してか、彼が目を開ける。

「すみません、起こしてしまいましたか？」

「いや……それより芽衣、具合は？」

「かなり良くなりました。生放送の心配や緊張から解放されてぐっすり眠れたからかも」

へへ、と笑いながらそう答えると、彼も安心したような表情で微笑んでくれる。そして。


「芽衣は笑っている顔が一番だな」


その言葉を聞いて、私は照れ臭さと嬉しさから、これでもかというくらいの笑顔を彼に見せたのだった。