社長は今日も私にだけ意地悪。
「ん」
ゲートをくぐると、彼がスマートに手を差し出してくる。
手を繋いで歩くという、恋人なら当然とも言える行為。
それなのに、嬉しい反面、恥ずかしさで戸惑ってしまいなかなか自分の手を重ねられない恋愛初心者な私。
結局、痺れを切らした社長が半ば強引に私の手を絡め取り、歩きだす。
「わわ……っ、社長!」
「モタモタするな。これじゃ手繋いでるっていうより、俺が単に引っ張ってるって感じだろうが」
それはそうなんだけど、慣れていないんだから仕方がないじゃない。
社長はこういうこと、余裕たっぷりにスマートに出来るからいいかもしれないけれど……。
「何だかドキドキします」
必死に鼓動を抑えようとしながら、正直な気持ちを彼に話す。
「ドキドキ? ああ、俺もしてるよ」
「絶対嘘じゃないですか!」
「何で嘘だと思う?」
「表情も、口調も、行動も。全てが嘘だと物語っていますよ」
私がそう言うと、彼は「そりゃ凄い。芽衣は探偵になれるかもしれないな」なんて言ってケラケラと笑う。
やっぱり馬鹿にされている。悔しい。
……あれ?
だけど社長の顔が少し赤く見えるのは気のせいかな?
ゲートをくぐると、彼がスマートに手を差し出してくる。
手を繋いで歩くという、恋人なら当然とも言える行為。
それなのに、嬉しい反面、恥ずかしさで戸惑ってしまいなかなか自分の手を重ねられない恋愛初心者な私。
結局、痺れを切らした社長が半ば強引に私の手を絡め取り、歩きだす。
「わわ……っ、社長!」
「モタモタするな。これじゃ手繋いでるっていうより、俺が単に引っ張ってるって感じだろうが」
それはそうなんだけど、慣れていないんだから仕方がないじゃない。
社長はこういうこと、余裕たっぷりにスマートに出来るからいいかもしれないけれど……。
「何だかドキドキします」
必死に鼓動を抑えようとしながら、正直な気持ちを彼に話す。
「ドキドキ? ああ、俺もしてるよ」
「絶対嘘じゃないですか!」
「何で嘘だと思う?」
「表情も、口調も、行動も。全てが嘘だと物語っていますよ」
私がそう言うと、彼は「そりゃ凄い。芽衣は探偵になれるかもしれないな」なんて言ってケラケラと笑う。
やっぱり馬鹿にされている。悔しい。
……あれ?
だけど社長の顔が少し赤く見えるのは気のせいかな?