社長は今日も私にだけ意地悪。
「……私、今日一日ずっと、圭さんは余裕たっぷりで緊張なんてしていないと思っていました。ドキドキしているのは私だけだと……」
「そんな訳ないだろ。俺はいつだって、芽衣が側にいるだけで……いや、芽衣のことを考えるだけで余裕なんてなくなる」
「……っ」
そう、だったんだ。
私ばっかり、なんて悔しがる必要なかったんだね。
無理して大人っぽくいようとすることもないんだ。
私は私のままでいいんだ。
ーー今はまだ、夢を叶える途中。
『流れ星は、誰もが一度は見てみたいと思うものだろう。
一度見ても飽き足らず、もう一度見たい、更にもう一度……と追い掛けたくなる。
そんな流れ星のようなアーティストをたくさん生み出していきたい』
あの日の圭さんの言葉を、頭の中で改めて繰り返す。
私の夢は、たくさんの流れ星を生み出すこと。
その夢は、圭さんにとっての夢でもあると信じたい。
圭さんの隣で、この夢を追い続けていたい。
「芽衣。おいで」
圭さんが私に、ちょいちょいと手招きしてくる。
こっちへ来い、ということだろう。
私はゆっくりと立ち上がり、彼の隣に座ろうとーーしたけれど、突然腕を引っ張られ、彼の膝の上に、彼と向き合う形で乗せられてしまった。
こんな体勢初めてだし、視線が近くて恥ずかしい。
ゴンドラが頂上に近付くのと同時に……私達の唇も近付いていく。
そして重なる唇からは、私と彼の熱と想いが溶け合っていく。
どうかこれからも、一緒に歩いていけますように。
今晩、流れ星にそうお願い事をしようーー。
**End**
「そんな訳ないだろ。俺はいつだって、芽衣が側にいるだけで……いや、芽衣のことを考えるだけで余裕なんてなくなる」
「……っ」
そう、だったんだ。
私ばっかり、なんて悔しがる必要なかったんだね。
無理して大人っぽくいようとすることもないんだ。
私は私のままでいいんだ。
ーー今はまだ、夢を叶える途中。
『流れ星は、誰もが一度は見てみたいと思うものだろう。
一度見ても飽き足らず、もう一度見たい、更にもう一度……と追い掛けたくなる。
そんな流れ星のようなアーティストをたくさん生み出していきたい』
あの日の圭さんの言葉を、頭の中で改めて繰り返す。
私の夢は、たくさんの流れ星を生み出すこと。
その夢は、圭さんにとっての夢でもあると信じたい。
圭さんの隣で、この夢を追い続けていたい。
「芽衣。おいで」
圭さんが私に、ちょいちょいと手招きしてくる。
こっちへ来い、ということだろう。
私はゆっくりと立ち上がり、彼の隣に座ろうとーーしたけれど、突然腕を引っ張られ、彼の膝の上に、彼と向き合う形で乗せられてしまった。
こんな体勢初めてだし、視線が近くて恥ずかしい。
ゴンドラが頂上に近付くのと同時に……私達の唇も近付いていく。
そして重なる唇からは、私と彼の熱と想いが溶け合っていく。
どうかこれからも、一緒に歩いていけますように。
今晩、流れ星にそうお願い事をしようーー。
**End**