社長は今日も私にだけ意地悪。
いつまでも振り回されていないで別の仕事見つけてやれ、と佐藤さんは言う。
確かにその通りだ。こんな無茶な提案にずっと翻弄されている訳にはいかない。

とは言え、諦め切れない自分もいる。

あの四人が、理由はどうあれステージに立ちたがっている。
私のことを明らかに馬鹿にしている彼等だけれど、大勢の前で歌いたいという彼等の気持ちは本物だと思うから……。



でも一週間以内だなんてやっぱり不可能だよなあ……とデスク上の卓上カレンダーに目をやって日にちを確認した時、あることを思い出した。


そう言えば、今週って……。


私はネットで目的のページを検索する。
すると、一筋の光を見付けた様な気がした。



「柳葉。俺、外出してくるから」

「はい。わかりました」


鞄を持って営業部室から出て行く佐藤さんの背中を見送ってから、私はデスク上の電話で、とある場所に連絡を取り始めた。
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