社長は今日も私にだけ意地悪。
そうだった。まあスキャンダルが怖い世界だし、恋愛に興味ないのはマネージャーとしては安心要素ではあるけれど。
「あんたはモテそうだよな」
木崎さんから急にそんなことを言われ、私は「はいっ⁉︎ いえいえいえ!」と、顔の前で何度も両手を振る。
「何を言いますか! そんなこと生まれて初めて言われましたし、全くモテませんよ! 美人じゃないし、童顔だし、背も低いし、取り柄もないし!」
「そうか? 普通に可愛い方だろ。あとは真面目だし、それこそ礼儀あるし、周りが惹かれるタイプだろ」
う、嘘。そんな風に思ってくれていたの?
木崎さんは謎だ。今まで私に対しては散々失礼な態度を取っていたくせに、打ち解けるとこんなにも自然に褒めてくれるなんて。
「彼氏とかいるの? さすがに結婚はまだしてないだろうけど」
「彼氏はいませんよ。どうせ私なんて相手にされませんもん」
「何か、特定の好きな人がいるみたいな答え方だな」
「あっ……」
しまった。恋バナなんて慣れていないからつい口が滑った。木崎さんがあまり興味なさそうに食いついてこないのが幸いだ。
食いついてこない代わりに、彼はこんなことを言う。
「俺は、っつうか俺等は皆、あんたに感謝してるよ」
「あんたはモテそうだよな」
木崎さんから急にそんなことを言われ、私は「はいっ⁉︎ いえいえいえ!」と、顔の前で何度も両手を振る。
「何を言いますか! そんなこと生まれて初めて言われましたし、全くモテませんよ! 美人じゃないし、童顔だし、背も低いし、取り柄もないし!」
「そうか? 普通に可愛い方だろ。あとは真面目だし、それこそ礼儀あるし、周りが惹かれるタイプだろ」
う、嘘。そんな風に思ってくれていたの?
木崎さんは謎だ。今まで私に対しては散々失礼な態度を取っていたくせに、打ち解けるとこんなにも自然に褒めてくれるなんて。
「彼氏とかいるの? さすがに結婚はまだしてないだろうけど」
「彼氏はいませんよ。どうせ私なんて相手にされませんもん」
「何か、特定の好きな人がいるみたいな答え方だな」
「あっ……」
しまった。恋バナなんて慣れていないからつい口が滑った。木崎さんがあまり興味なさそうに食いついてこないのが幸いだ。
食いついてこない代わりに、彼はこんなことを言う。
「俺は、っつうか俺等は皆、あんたに感謝してるよ」