社長は今日も私にだけ意地悪。
そのまま車を走らせること、二十分。

眼前には綺麗な湾岸夜景が広がっている。


「綺麗……」

思わず、溜め息と共にそんな感嘆の言葉が溢れる。

キラキラと眩い世界が広がり、そんな光景を好きな人と隣同士で見られているという事実に胸が高鳴る。


近くに車を停められるから少し歩こう、と社長に言われ、こくんと頷いてしまった。
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