社長は今日も私にだけ意地悪。
車から降り、ガラス越しではなく直接見る夜景は更に眩く感じる。
社長と二人並んで歩きながら、運河沿いをゆっくり散歩していく。
「そういえば! RED searchに凄い仕事の話が来たんです!」
いけないいけない。あれだけ伝えたかったことなのに、社長と一緒にいたらドキドキしっ放しで危うく言いそびれるところだった。
「凄い仕事? 何?」
「実は……」
私は、呟きアプリに曲が勝手にアップされてしまったことから、ミュージックインホームの大兼さんと直接会ったことまで、全て彼に話した。
すると。
「そりゃ凄いじゃん! お前等にとって大チャンスだな!」
と、明るい笑顔を見せてくれた。
彼の笑顔にはやっぱりときめかずにはいられなくて、ずっと見ていたい笑顔のはずなのに、恥ずかしくて思わず目を逸らしてしまった。
でも、またゆっくりと顔を上げて彼と目を合わせる。
「ぐ、偶然ですけどね。運が良かったんです」
「運だけじゃない。彼等の歌が本物だから、アプリのユーザーや大兼さんがそれだけ興味持ってくれたんだろ。デモCDで営業したのは芽衣だし、自分達にもっと自信持て」
笑顔で力強くそう言われるとやっぱりとても嬉しくなる。
その時、冷たい風が吹き抜けて私は思わずくしゃみをしてしまう。五月中旬で気候は随分暖かいはずだけれど、薄着で来てしまったのもあり夜風は少し冷たく感じる。
社長と二人並んで歩きながら、運河沿いをゆっくり散歩していく。
「そういえば! RED searchに凄い仕事の話が来たんです!」
いけないいけない。あれだけ伝えたかったことなのに、社長と一緒にいたらドキドキしっ放しで危うく言いそびれるところだった。
「凄い仕事? 何?」
「実は……」
私は、呟きアプリに曲が勝手にアップされてしまったことから、ミュージックインホームの大兼さんと直接会ったことまで、全て彼に話した。
すると。
「そりゃ凄いじゃん! お前等にとって大チャンスだな!」
と、明るい笑顔を見せてくれた。
彼の笑顔にはやっぱりときめかずにはいられなくて、ずっと見ていたい笑顔のはずなのに、恥ずかしくて思わず目を逸らしてしまった。
でも、またゆっくりと顔を上げて彼と目を合わせる。
「ぐ、偶然ですけどね。運が良かったんです」
「運だけじゃない。彼等の歌が本物だから、アプリのユーザーや大兼さんがそれだけ興味持ってくれたんだろ。デモCDで営業したのは芽衣だし、自分達にもっと自信持て」
笑顔で力強くそう言われるとやっぱりとても嬉しくなる。
その時、冷たい風が吹き抜けて私は思わずくしゃみをしてしまう。五月中旬で気候は随分暖かいはずだけれど、薄着で来てしまったのもあり夜風は少し冷たく感じる。